『草津良いとこ一度はおいで』草津温泉の魅力・草津町長ごあいさつ
群馬県人会の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。また、日頃より『草津良いとこ一度はおいで』の唄で知られる草津町の行政運営にご理解ご協力を賜り心から感謝申し上げます。
さて、草津温泉の個性と魅力は、平安末期から800年以上の時を経て築き上げられ、その中心には常に『湯畑』の存在があり、豊かな温泉が湧き出し湯治客や観光客を癒し続けてきた『湯畑』の価値は、今なお衰えることなく日本の温泉地のシンボルとして鎮座しております。
近代医学の父と云われる『エルウィン・フォン・ベルツ博士』も草津温泉の特異な泉質や時間湯、美しい自然に魅せられ、草津を訪れたのが今から約137年前と云われ、効能豊かな『KUSATSU』の名を国外に広めていただきました。そして、昨年末に発表されましたプロが選ぶ日本の温泉地100選では、『13年連続1位』という他では類を見ない偉業を成し遂げ、年間300万人を超えるお客様がお越しになる唯一無二の温泉観光リゾートとしての地位を築き上げております。
草津では、原点である湯を大切にしながら街の魅力を磨いていく『湯源湯路街』を基本理念に、議会、業界、地域住民と共にまちづくりに取り組んでまいりました。この結果、温泉街の中心に約20年間放置され、利便性だけを求め、温泉街の魅力を低下させていた仮設駐車場を廃止し、街なみ環境の保全を目的にその跡地には江戸の昔から草津五湯の一つに数えられ『源頼朝』ともゆかりがあるとされる『御座之湯』の再建と浴衣姿で温泉街の風情を肌で感じていただくため、木回廊と石畳を敷いた棚田風の『湯路広場』を新たに誕生させ、広場内のトイレ棟は昨年『日本トイレ大賞』を受賞し、有村大臣より表彰を受けております。
昨年4月に完成した伝統文化『湯もみ』を伝承する熱乃湯はステンド硝子やガス燈を備えた大正ロマンあふれる施設へと新しく生まれ変わり、趣や佇まいを大切にした温泉街の街なみが甦りつつあります。平成28年度においては、草津の魅力を更に高めるため、お越しになるお客様へのおもてなしとして、湯畑広場内の電線地中化、IT関連のインフラ整備、そして湯畑、西の河原公園内を浴衣姿でそぞろ歩きが楽しめる雰囲気のあるライティング事業を実施し、幻想的な温泉街の風情を国内外に向けて発信していく所存であります。
私は常々これからのまちづくりに大切なことは、町の歴史を紐解きながら、時代の変遷を辿り、家並みの趣や佇まいが肌で感じられ、そこで暮らす人々との生活が相まって、『ヒューマンスケール』の街なみが形成されることが重要であると感じております。そしてお越しになるお客様が普段感じ得ない風情や情緒に触れ、その感動が笑顔や歓声に変わり、温泉街の賑わいを生むことで、町全体に活気を喚び、群馬県全体の活力へと繋がっていくものと信じております。
おわりに、群馬県人会皆様のご活躍と益々のご発展を心からご祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。
黒 岩 信 忠
群馬県草津町長