群馬県前橋市長ごあいさつ


 群馬県人会の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。また、日頃より前橋市の行政運営に対しまして、格別なるご理解とご協力を賜っており、心から感謝申し上げます。
 さて、本市におきましては今年度から、「前橋の未来に向かって、これまで大切にしてきたまちの誇りや可能性を受け継ぎ、磨き育て、新たな価値を生み出しながら、将来を担う子や孫たちの世代に未来への襷として繋いでいく」という思いを込めた第七次前橋市総合計画がスタートしました。この計画では、まちづくりのキーワードを「地域経営」としており、市民、企業・団体、行政それぞれが、「他人ごと」ではなく「自分ごと」として、地域の課題を捉え、自主的・自律的に、また連携して課題解決に取り組むことが重要であると考えています。
 これに先がけて、昨年度はまちづくりにおいて、様々な動きがありました。一つ目は、「スローシティ」です。昨年の5月、本市北部の赤城山南麓地域がスローシティ国際連盟に加盟しました。この土地ならではの食や農産物、伝統のある文化、歴史、生活スタイルなどを大切にするとともに、豊かな自然と共生できる環境整備を推し進め、そこに関わるヒトやコトを支援しながら、都市部も含めて民間活力が最大限発揮できる土壌を築いてまいります。
 二つ目は、「太陽の鐘」です。今年の3月、本市出身のコピーライター糸井重里氏や、株式会社ジンズ社長の田中仁氏ら企業家有志による民間団体「太陽の会」のご尽力により、日本を代表する芸術家である岡本太郎氏の作品「太陽の鐘」が、市内中心部を流れる広瀬川河畔に設置されました。これは、平成28年度に発表した本市のまちづくりのビジョン「めぶく。」にご賛同いただいた民間企業の皆様の活動によるものであり、本市の新たなシンボルとして、また、市民の心の拠り所のひとつとして、大変素晴らしいものであると感じています。
 また、次世代通信の主役となる5G(第5世代移動通信システム)の活用に関しても、今年の5月に株式会社NTTドコモと連携協定を締結しました。今後、AIをはじめとしたICTを活用して、デマンドバスやタクシーなど、地域交通網の最適化に向けた研究に取り組んでまいります。
 このように、幅広い分野において、民間企業や市民の皆様と一緒に県都前橋の未来を創造していくことは、群馬県全体の未来へ繋がっていくものであると考えており、皆様には引き続き、本市をはじめ、それぞれの地域社会の発展にご尽力をいただきますよう、心からお願い申し上げます。
 結びに、群馬県人会の今後ますますのご発展と皆様のご活躍、ご健勝を心から祈念いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。

山本 龍
群馬県前橋市長